KAAT神奈川芸術劇場で行われた瀬央ゆりあさん主演『ザ・ジェントル・ライアー ~英国的、紳士と淑女のゲーム~』。
昨日(2月25日)、無事に千秋楽を迎えられました。
バウホール公演が全公演中止になってしまっただけに、KAATの方は最後まで公演ができて本当によかったです。
私は、現地には行けなかったのですが、2月23日にライブ配信が実施されたので、ありがたく見させていただきました。
そこで今回は、ライブ配信の感想を振り返ってみたいと思います^^
まるで当て書きのようなしっくり感
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『ザ・ジェントル・ライアー ~英国的、紳士と淑女のゲーム~』は、オスカー・ワイルドの戯曲『理想の夫』が原作です。
演出の田渕大輔先生は、せおっち(瀬央)の主演作品を企画するにあたって、
「アーサー役がせおっちにぴったりだ!」
ということで、以前からやってみたかったというこの作品を選ばれたそうですが……
原作物というか、完全当て書きでは???
と思うぐらい、全てのキャストがマッチしておりました。すごい。
ちなみに原作では、せおっちが演じたアーサーではなく、あかりちゃん(綺城ひか理)が演じたロバート・チルターンが主人公なんですよね。
あらすじ
将来有望な政治家ロバートと、その妻ガートルードは、だれもがうらやむ理想の夫婦。そして、ロバートの親友アーサーは、自由気ままな独身貴族で、ガードルードとも昔馴染みの間柄だった。ある日、そんな3人の前に、妖しい魅力のチェヴリー夫人が現れ、紳士淑女たちの「秘密」が露わになっていく――!
せおっちは圧倒的にアーサーが似合うし、あかりちゃんにはロバートが似合う!
大正解のキャスティング!!
軽妙洒脱な大人のコメディ作品で、宝塚にぴったりだなと思いました。
劇中の華やかなお衣装(有村先生)やシックな舞台セットも素敵でしたね~。
初の東上公演でとっても良い作品に恵まれたせおっち。
よかったねぇ……(泣)と母のような気持ちになったヅカファンも多いのではないでしょうか。
キャスト感想
ここからは、キャストごとの感想です。
アーサー【ゴーリング卿】:瀬央ゆりあ
プレイボーイだけど恋に臆病で、色々不器用だけど友達思いな瀬央アーサー。
永遠に愛おしい…
アーサーの物語を観ているはずなんだけど、最終的には「頑張れせお!!」という気持ちでモニター前で応援していました。
その位、舞台上に自然と存在していた瀬央アーサー。
役が合っているというのはもちろんですが、せおっちの芝居心あってのものでしょう。
そして!!
顔が良い!スタイルが良い!全ての衣装が似合う!!!
これぞおしゃれなイギリス貴族!!
ストーリー的に女性への対応があまりに下手すぎて、途中まで
「ほんまにプレイボーイなんか?」
と思ってしまいましたが、お屋敷にやってきたチーヴリー夫人との絡みを観て、
「あぁ、ちゃんとプレイボーイだったわ」
と納得しました(笑)
せおっち&りらちゃんの同期仲良しコンビというのもエモです。
今回はトリプルヒロインで、3人の女性との関係性が描かれていましたが、それぞれとの関係性がよく見える演技もとても面白かった!
メイベル「私があなたを躾てあげられたらよかったのに」
アーサー「僕も君に躾てもらいたかったなぁ」
という噂のシーン。
実際の男性が言うと気持ち悪くみえそうなセリフですが、さすが宝塚!!
メイベルもアーサーもどちらも可愛かったです。
最後のプロポーズシーンで振り向いた瞬間がとってもかっこよかった。赤い薔薇が似合うこと…!
これにはファンの方もニッコリでしょう。
(ご贔屓様がプロポーズシーンをするのってファンとしては嬉しかったりしますよね?)
ロバート・チルターン:綺城ひか理
アーサーを演じるせおっちに愛おしさを感じたのと同時に、ロバートあかりちゃんも同じく愛おしい。
上級生男役二人が愛おしい&愛おしいって、いったいどうなってるんだこの作品は!?(いいぞもっとやれ!)
ロバートあかりちゃんの最大の魅力は
「だけど、なぜ僕を愛していると書いてくれなかったの?」
というセリフに詰まっている。
立っているだけで“高潔な紳士”と分かる、素晴らしいビジュアルなロバート。
そんな人が、最後になって妻にデレッデレで……観ている私はどうすればいいんだ????という気持ち。
これ狙ってやってるんでしょ?恐ろしい子……!
一幕のハンガリーのシーンで「メイベル!メイベル!やめなさい!」っていうのをマイクが拾っていたのも大変面白かったです、お兄さま……。
個人的な気持ち悪い感想ばかりになってしまいましたが、演説のシーンはめちゃくちゃかっこよかった。
まぁ過去に不正はしてるんですけどね、、、最終的には自分の正義を貫くロバート。まさに理想の夫でした。浮気しなさそうだし。
原作では主役というのもあって、とっても美味しいお役だったなぁと思いす。(ありがとう田渕先生!)
ローラ【チーヴリー夫人】:紫りら
はるこちゃん(音波みのり)の休演により、代役を務めた紫りらちゃん。
もともと可愛らしいお顔で、子役やおばあちゃん、個性的な役が似合うりらちゃんですが
こんな悪女もできるのか!!さすが!!
と思いました。
このお芝居の緊迫感はりらちゃんの演技あってこそ。
色っぽい目線とゆっくりとした台詞回しが印象的でした。
人によっては下品に見えそうな役ですが、りらちゃんのローラは悪女だけど、品がある。そのバランスがお見事!
個人的にりらちゃんの声が大好きなので、沢山聞けてとても嬉しかったです。
最後のシーンのローラは、なんだか切なくなってしまって……。
どうしてローラがそんな風になってしまったのか……去っていく綺麗な背中を見ながら考えずにいられませんでした。
ガートルード・チルターン:小桜ほのか
絶大な安心感がある小桜ほのか嬢。
ほのかちゃんの過去のお役のなかでも私は『モーツアルト』のアロイジア役が大好きなのですが、今回は打って変わって真面目な人妻。(青系の衣装繋がり)(髪の毛のアクセサリー可愛かった!!)
真面目すぎるがゆえに少し面白くなってしまうガートルード。
いや~素晴らしい。
完璧な滑舌と美声も聞けて満足です。
チルターン夫妻は、綺城ひか理(176cm)×小桜ほのか(162cm)という身長差もポイントでしたね。
メイベル・チルターン:詩ちづる
トリプルヒロインではありますが、実質のアーサーの相手役はメイベル。
今後はがっつりヒロインとして抜擢していきたい!という劇団の思いが伝わってくる配役でした。
とにかく可愛くてお芝居もお歌も上手なうたちゃん。星組デビューおめでとう!!
メイベル:今なら話せるんじゃない?(プロポーズ待ち)
アーサー:実は僕、心から大切に思う女性がいて…
メイベル:誰を?(ドキドキ//)
アーサー:ガートルードを!
メイベル:お姉さまを…???(何言ってんのこいつ?)
のくだりのメイベルちゃんの表情が最高でした。
一幕でメイベルは、なんでアーサーなんかのことが好きなんだろ……?と思っていたけど、(失礼)
二幕で「私はあなたの欠点が大好き」「一つもなくして欲しくないわ」「理想には程遠いあなたの生き方がなぜか愛おしく思える」とか言っていて、私が感じるアーサーへの想いと一緒じゃん!としっくりきました。
その年齢でアーサーのどうしようもない性格を愛おしく思えるなんて、さすがだわメイベルちゃん。
トミー・トラファド:稀惺かずと
かわいそうでかわいいトミー!
稀惺くんがちゃんと演技しているところをほぼ初めて観たのですが、とってもいい!!
お歌もお上手で、出番は少ないけどめちゃくちゃ印象的でした。
大人たちがごちゃごちゃ揉めてるなかで、一人フレッシュで、とっても爽やかな風を吹かせていました。
メイベルのトミーへの扱いがあまりに酷くて(笑)、最後のハンカチを噛んで出て行く姿が本当にかわいそうでかわいい。
これは将来が楽しみだぞ!と改めて感じました。
その他の人々
キャヴァシャム卿:美稀千種
もちろん抜群の存在感。温かみのあるお父さんでした。
フィプス:大輝真琴
アーサーの秘書・フィプス。
アーサーと嚙み合っているんだか嚙み合ってないんだか……。とってもチャーミングなおじいちゃんでしたね^^
ナウオンで話題になっていた夜会でキレッキレに踊る場面もしっかり見させていただきました。
ド・ナンジャック子爵:咲城けい
組替えで話題の咲城けいくんは、胡散臭い(?)フランス大使のお役。とにかく存在が華やかでした。
ババっとやってきて濃ゆいキャラクターを披露し、ババっと去って行く……みたいな。
水乃ゆりちゃん演じるレディ・マークビーと不倫関係に陥ったかと思えば、最終的にめっちゃビンタされてましたよね???(笑)
素顔だとあまりわからなかったけどフィナーレナンバーを観ていると、さおちゃん(元宙組の美月悠さん)に少し似てるなぁなんて思ったり。
あと、あまり知らなかったのですが咲城くんはダンサータイプなのかな?キラッキラでキレッキレでした。
レディ・マークビー:水乃ゆり
チーヴリー夫人に「あれほど中身のないお喋りをする方は初めて」なんて言われちゃうような空気の読めない女性を好演していました。
水乃ゆりちゃんはとっても美人なのに、こういう少し三枚目っぽいお役も良く似合いますよね。
フィナーレナンバー
フィナーレナンバーはなぜかスパニッシュ系。
イギリスなのになぜスパニッシュ…?というのは、観客だけでなく、たぶん出演者含めてみんな一度は疑問に思っていそうですが、かっこいいからいいか!!という感じでしょうか(笑)
あかりちゃんを中心にした男役さんたちから始まって→せおっち登場→みんなで踊るという流れ。(ざっくり)
そして今回は、一般的なデュエットダンスではなく、三人の娘役さんたち(小桜・水乃・詩)が少しずつせおっちと組んで踊るというものでした。
詩ちゃんと踊ると、せおっちの包容力が増し増しでしたね!(リフトもしていました)
振付や音楽などは、とっても素敵だったと思います!
ただし、衣装はちょっと残念だったかな……
せおっち以外は、星組公演『Éclair Brillant(エクレール ブリアン)』のボレロのシーンで使われていた衣装だったのですが、あれは全員総出の群舞で観るととってもキレイだけど、小劇場系のフィナーレで見るとイマイチかなぁ……(^^;
せおっちは、キラキラの淡いブルー系の素敵な衣装。
ただ、それも皆と合わせると色味のバランスが悪い気がしてしまいました。
(あくまで映像で観た感想なので、劇場で観るとまた印象が違うかもしれません)
無事に公演できてよかった!
『ザ・ジェントル・ライアー ~英国的、紳士と淑女のゲーム~』は、宝塚らしさもありつつ、クスっと笑えて心が温まるストーリーでした。
原作は100年以上前の作品ですが、「完璧な人間なんていない」という普遍的なテーマは、今の世の中でもとってもわかりやすい。
個人的には、もう一度観たいなぁ~…なんて思っていたのですが、どうやら劇場にブルーレイ収録のご案内が出ていたようです!
円盤が発売される!やったー!!^^
スカステの千秋楽映像の放送と共に、円盤の発売日も楽しみに待ちたいと思います。
・‥…━━━━━━☆
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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