長らく初日の幕が開かず、心配していた星組御園座公演『王家に捧ぐ歌』。
無事に千秋楽が迎えられて本当によかった!
私は御園座での観劇は叶いませんでしたが、ライブ配信で楽しませていただきました。
そこで今回は、ライブ配信の感想を振り返ってみたいと思います♪
『王家に捧ぐ歌』のあらすじ
まずはあらすじからチェック♪(前回宙組バージョンのあらすじを抜粋しました)
エジプトと敵対するエチオピアは、ラダメス将軍(礼真琴)率いるエジプト軍によってまさに崩壊状態に陥っていた。しかし捕らわれた王女アイーダ(舞空瞳)にラダメスは心惹かれ、彼女を助けるためにアムネリス(有沙 瞳)の侍女とする。最初は敵国の将軍であるラダメスの求愛に反発していたアイーダだったが、すべてを賭けて愛を貫く彼を次第に受け入れていくようになる。しかし、二人の関係を知ったエジプト国王やアムネリスが、当然それを許すわけはなく……。古代エジプトを舞台に、エジプトの若き将軍ラダメスとエジプト軍に捕えられ奴隷となったエチオピアの王女アイーダとの悲恋を、華やかにドラマティックに描く。
出典:宝塚歌劇団HP
『王家に捧ぐ歌』は、ヴェルディのオペラ『アイーダ』を、宝塚バージョンにアレンジした木村信司先生による一本物のミュージカルです。
初演は、湖月わたるさん率いる2003年の星組。その後、朝夏まなとさん&実咲凜音さんのトップお披露目公演として2015年に宙組で再演されました。
私はどちらも観劇しているのですが、とくに初演の衝撃はものすごかった!!
- セット豪華~♪衣装キラキラ~♪
- なんかすごいファラオ
- めっちゃ歌う!!安蘭けいさんが上手すぎる!
- どの曲もとっても良い!
- そして一部謎の歌詞(伝説のスゴツヨ)
などなど。
そんな『王家に捧ぐ歌』が久々に星組で再演されると聞いて、とても楽しみにしていました。
(宙組版ももちろんよかったし、タカスペの『王家に捧ぐ校歌』は衝撃的で忘れられません)
新しい『王家に捧ぐ歌』!!
星組公演 『#王家に捧ぐ歌』ポスター画像https://t.co/3kDJoXspgC #宝塚歌劇団 #星組 #礼真琴 #舞空瞳 pic.twitter.com/juzi8vMQVg
— タカラヅカ歌劇ポータル@宝塚歌劇・宝塚OG情報を発信中 (@zukazuka_info) November 25, 2021
今作は、先行画像や公演ポスターのビジュアルが今までの『王家に捧ぐ歌』のイメージとあまりにかけ離れた雰囲気!ということで物議を醸していましたね。
今までのセットだと御園座に入らないから、どうせならセットも衣装も一新しよう!ということになったそうです。木村先生の新しいことをやってみたい!という意欲も理由のひとつでしょう。
実際の舞台は一体どんな雰囲気になるの?と思って初日映像を見たら、まさかのラダメス特攻服!
背中にラー(太陽)と蛇(コブラ?)という衝撃。
蛇は、
- 復活の象徴である蛇
- 闇と混沌の象徴でありラーの最大の敵である大蛇
のどちらかと思われます。
これについては、どんなメッセージを込めたのか木村先生に聞いてみたい。
また、お衣装だけでなく、セットも一気にシンプルに。
(「アムネリスの部屋がFrancfranc風」という感想をTwitterで見かけて笑いました)
ただ個人的には、全編通して観たらこれはこれで悪くないのでは?と。
もちろん、初演や宙組再演バージョンのキラキラ衣装も見てみたかったけれど……新鮮さという意味ではとっても楽しかった!
セットや衣装がシンプルな分、それぞれのパフォーマンスがダイレクトに伝わってきましたし、エジプト&エチオピア感が薄まったことで、平和への願いという普遍的なテーマが強調されていたように思います。
過去作を知っていると違和感があるかもしれませんが、初見さんの場合は、全く気にならないのではないでしょうか?
そして、素晴らしい歌!歌!歌!です。
今回の『王家に捧ぐ歌』は、真ん中キャスト3人の歌がちゃんと上手い!
やっぱりこういうミュージカル作品において、歌の力というのは重要です。
映像だと生の劇場で観る素晴らしさの十分の一も伝わってないんだろうなぁ、と思いながら観ました。
あぁ、劇場で観たかった……(´;ω;`)
キャスト感想
ラダメス:礼真琴
金髪っぽいロングヘアのラダメス!意外ととっても似合っていてかっこよかった!(正直ポスターの段階では微妙だと思っていました、ごめんなさい)
にしてもさすがのお歌!圧巻でした!!特に「世界に求む」の素晴らしいこと……!
そして、
こっちゃんのラダメスからは知性を感じる!!
ラダメスにしても、アイーダにしても『王家に捧ぐ歌』の主要キャストって短絡的で、現代人からするとなんだかなぁ~と思ってしまいますよね。
特にラダメスは、アイーダのため、自分の恋のために、ひたすら一人突っ走ってエチオピア人を解放する脳筋キャラですが(?)こっちゃんラダメスは、ちゃんと自分の信念を持っているように感じられました。(もちろん鈍感&脳筋な部分はありますが)
そのおかげで
アイーダ「ひと時の感情に流され自分の感情を変えるべきではないわ」
ラダメス「あなたは私を見くびっているのか?」
ラダメス「あなたは私をひと時の感情に流され生き方を変える男と見ているのか?それだけの男を愛したのか?」
の流れがウソっぽくなくて、とっても素直に物語に入り込めた気がします。
からの「月の満ちる頃、あなたと~♪」
ほんとかっこよくて包容力たっぷりで、キュンとしました!!
アイーダ:舞空瞳
どうやら私は、なこちゃんが一生懸命演じている姿をみると涙が出るらしい。
(「アイーダの信念」を聞きながら、ウルウルしてしまいました)
過去のキャストや、こっちゃんやくらっちに負けない歌を…!ということで、かなりプレッシャーもあったと思いますが、大健闘じゃないですか!!
そして抜群のスタイルと身のこなし。ソウルシンガー(?)風な髪型も似合っててかわいい^^
アイーダの深いスリットのドレスは、捌くのが大変そうですが、さすがでした!
キャラクターとしては、“ラダメスとの愛に生きる”という要素が強いアイーダちゃんで、だからこそ最後の「人は自分のためになることしか、決して行いはしない」「ならば私は私のために生きる!」というセリフがより力強く感じました。
ラダメスもアイーダも人によって演じ方が全然違って面白いですね~♪
アムネリス:有沙瞳
愛に生きるアイーダと違って、ファラオとして祖国のために生きなければならないアムネリス。
今回はその対比がきっぱりと感じられて興味深かったです。
以前に比べて少し体重を増やしたのかな?という感じでしたが、それがエジプトの富を象徴しているようでしたし、ツヤッツヤでキラッキラなアムネリス様でとても美しかった。
そして何と言っても歌ですよ!!
くらっちアムネリス様の歌は、どこを切り取っても素晴らしいのですが、特に
「たった今から私がファラオとなり、エジプトを治めます!」
からの「さぁエチオピアを滅ぼしに行きましょ~~~♪」の迫力が凄まじい。
作品のイメージが変わる位、アムネリスの存在感が圧倒的でした。
ケペル:天華えま
ラダメスのお友達・ケペルはぴーすけ(天華えま)。
配信だったのでしっかりは見られなかったのですが、ラダメス処刑シーンの背中の演技がぐっときました。
今回、エジプト側は「脳ミソまで筋肉」というモットーで役作りをしていたそうですが、こっちゃんの脇を固めるぴーすけ&もう一人のお友達・メレルカ天飛華音。
天華「ことさんの隣にいるのが私と天飛っていうことで、筋肉感が増すぞと…」
とナウオンでもお話されてましたね(笑)
とにかく、顔がいいし、歌もいいし、踊りもいい◎
普通にガチ恋案件だと思いました。
ウバルド:極美慎
初っ端から恐ろしい美形が出てきたぞ!と思うと極美くん。
今回のウバルドは、アイーダと双子という設定らしいのですが、なんて美しい兄妹なんでしょう……。
ウバルドは、かなりネチネチした気持ち悪さのある役だと思うのですが、極美くんはネチネチ感というか陶酔感がすごかった。
アイーダと共に奴隷のように父・アモナスロ王の命乞いをする姿がとっても痛々しくて印象的でした。
ファラオ:悠真倫
箙かおる様のイメージが強いファラオ。
まりんさんのファラオってどうなるんだろう?と、とっても楽しみにしていましたが、これまためちゃくちゃ素晴らしかった!
ラーの息子という言葉がこんなにピンとくるなんて!
まりんさんご本人の持ち味もあるでしょうが、威厳だけでなく温かみを兼ね備えていて、衣装などの物理的な効果を取り除いても本当に光輝くようなファラオでした。
まりんさんのお歌を久しぶりに堪能できた、というのも嬉しかったです。
もし願いが叶うなら、吊られて登場するファラオも観てみたかった(笑)
アモナスロ:輝咲玲央
同じくこちらもヒロさん(一樹千尋)のイメージが強いアモナスロ。
今回は衣装もガラッと変わって、真っ黒でハットをかぶったワイルドなイケオジ・オレキザキ。
ヒロさんのアモナスロに比べると、年齢的にも若そうだし、なんだか色っぽい(笑)
ひょっとしたらエジプトに勝てるのでは?と思ってしまうぐらい、強そうな雰囲気もあり……(実際めっちゃ怖い)
正気に戻ったのかと思えば、全然普通に狂っている。まさに怪演でした。
歌も演技も素晴らしくて本当に頼もしい。
その他の人々
他にも、印象的な方は沢山。
ネセル(天寿光希)・・・美人選びでピースしてたの本当好き。もう一回観たい。
ワーヘド(華雪りら)・・・すっごい可愛い顔して、アイーダをめっちゃ叩くこりらちゃん^^アムネリス様が来たら、持ってた布ポイっ!ってしたのた笑いました。そして女官さんたちみんな怖くてさすが!
カマンテ(ひろ香 祐)・・・安定感抜群のお歌&踊り。エチオピア側の3人は全員個性が違って、演じるのが楽しそうだなぁと思いました。役としても美味しい。
サウフェ(碧海さりお)・・・しんどい……サウフェは本当に見ているとしんどくなってしまう。碧海くん、良い演技でした。
フィナーレナンバー
まずは、いつも同じ5人口からスタート。今回は、ウバルドではなくケペルがセンターでしたね。
こちらも白地のお衣装で、イメージ一新。
個人的にはあのカラフルなお衣装が好きだったので、少し残念でした。(真風さんの淡い紫の衣装と白い歯が忘れられない)
そしてこっちゃんのシンプル黒燕尾ソロから男役の群舞。群舞のとこは宙組バージョンとほぼ同じ振りかな?
スゴツヨロケットからのアイーダ中心のスゴツヨソングアレンジという流れも一緒。
ただ最後の歌詞が「どんな国もすごくてステキ」になっていたのは笑ってしまいました。全方向への手厚い配慮w
アイーダのスゴツヨアレンジの赤と金の衣装も青系のドレスになっていたし、その後の男役群舞もデニムの爽やか系。リゾートがイメージになっているようです。
そこにトレンチコートを着たこっちゃんが登場!
世界観がよくわからないけど、かっこいいしまぁいいか……という気持ちになりましたが、どうでしょう?
デュエットダンスも宙組版と同じ。
「気に入っているので振りは変えません」と木村先生もおっしゃっていましたが、水滴がだんだんナイルの流れになっていくようなイメージになっているそうです。(知らなかった)
衣装はブルー系でしたが、こっちゃんはダブルのジャケットで、これまたなんで???と一瞬なってしまいました(笑)(素敵だけどね)
今回印象的だったのは、エトワールの都優奈ちゃん。
一人で降りて来て誰もいない階段で歌い上げる姿は圧巻!素敵な演出だなと思いました。
素晴らしいカテコ挨拶
いつも通り、公演への感謝の後にライブ中継、ライブ配信に触れるこっちゃん。
そしてなんと本日はブルーレイ収録になっています!
ブルーレイをご覧のみなさん、楽しんでいらっしゃるでしょうか?未来に向けて語りかけております。
何年か後にこのブルーレイを観た時に、「あの時は世界中が大変な状況だったね……」と、思い出話のようになっていたらいいなと思っています。
…すごいタイムカプセルみたいなこと言ってます?w
(客席)www
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コロナも含め、色々あるこのご時世。
笑いを絡めつつ、素晴らしいトップスターさんの挨拶だと思いました。
そしてブルーレイ!!早く観たいです!!
新しい『王家に捧ぐ歌』とっても良かった!
今の星組のキャストにぴったりだった新『王家に捧ぐ歌』。
衣装が…とか、セットが……とか、色々な意見を目にしますが、私はとっても好きでした。
……というか、めちゃくちゃイメージが変わって面白かった。
ありがとう!ことなこ!
素敵な舞台が観られて幸せでした♪
・‥…━━━━━━☆
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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