大感動した宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』。
いまだに感動を嚙みしめながら生きているのですが、そろそろ振り返っておかないと色々な記憶がこぼれ落ちそう……ということで、今回は、キャストの方の感想を書いていこうと思います。
キャスト感想
ジョルジュ・マルロー:真風涼帆
「立っているだけでかっこいい」の最高到達点を日々更新中のゆりかちゃん。
今回は、シャツの腕まくりシーンがあったり、壁際でのキスシーンがあったり、後ろ姿大サービスがあったり……ファンの人には堪らないのではないでしょうか?
お歌もかなり良くてソロシーンも安心感たっぷり。
そしてジョルジュというお役も似合っていたと思います。
ジョルジュは、スペイン人でもなくアメリカ人でもない。
ヨーロッパ生まれの人間として途中まで客観的に歴史の流れを見ている人物です。
演技をする上では少し邪魔になってしまう真風涼帆というスターオーラ(宝塚のスターとしては素晴らしい魅力だと思います)も、今回はジョルジュという、どこにも属していない人物に上手くリンクしていたように思います。
そして圧倒的な包容力、包容力、あゝ包容力……。
キャサリン・マクレガー:潤花
潤花ちゃんについては、前回の記事でも書いたのですが、意志の強さを感じる素晴らしいキャサリンでした。
小池先生も『歌劇』の座談会でおっしゃっていましたが、キャサリンの行動力や好奇心旺盛な性格が潤花ちゃんの物怖じしない陽な雰囲気と合っていて説得力がありました。
私は『バロンの末裔』の潤花ちゃんも大好きだったのですが、こんなにお芝居ができる人だったのね……!!という感動が毎度増していっています。
決してお歌が得意!というタイプではないのですが、PSUCの放送室で鎮静剤を打たれた後に歌う「愛の真実」にはぐっと引き込まれました。途中で薬が効いてくる演技も切実で、涙、涙……。
お衣装も今っぽくなっていて、花ちゃんが着ていた地味なお色のパンツ衣装も、チェック柄のおしゃれなコート×ワイドパンツに変わっていましたね!最後の別れのシーンでネクタイをしていたのも可愛かったです。
ヴィセント・ロメロ:芹香斗亜
リアルスペイン人のようなクラシカルなビジュアルのキキちゃんヴィセント。
褐色の肌に黒髪パーマ、三白眼がギラギラしていて大変トキメキました。
王道マタドールっぽい赤とか黒とかの衣装かな?と思っていたら、まさかのグレー!!これもすごく斬新でおしゃれでした。
靴下も同じグレーでよかったです!脚が長い!
ヴィセントは、いつも周りに人が沢山いるので、埋もれやすいという点で難しい役だろうなぁと思うのですが、そこはさすがの貫禄!!
ソロの銀橋渡りはもちろん、要所要所で披露されるキキちゃんの歌唱力の高さがヴィセントの存在感を増していたように思います。
隣にいるテレサ役の水音志保ちゃんとの並びも新鮮で良い。(バックハグでいちゃいちゃしていたのをニヤニヤしながら眺めました)
フランシスコ・アギラール:桜木みなと
初演はひたすら悪役!という印象が強かったアギラールですが、ずんちゃんのアギラールは、最初はちゃんと自分なりの正義を持っている役作りで、そこからどんどん欲に溺れ、最終的に自滅していく姿がしっかり表現されていました。
「遼河さんが描かれた黒く冷酷なアギラールを踏襲しつつ今回に相応しい私なりのアギラールを探っていけたら……」とプログラムにも書かれていましたが、ガラッと役の雰囲気が変わったなぁと感じました。
既に演技も歌も申し分ないずんちゃんですが、『オーシャンズ11』のベネディクト役の時も、ムラの初日から東京千秋楽までの変化が凄まじかった記憶があります。
なので、今回もまだまだ進化していくのだろうなぁと思うと今後も楽しみ!!
ビジュアルは衣装が真っ黒だからか、少しグレーっぽいおしゃれな髪色でしたね。
同じスペイン人でも、キキちゃんヴィセントのクラシカルさとは違って、区別化されていて分かりやすかった気がします。
エレン・パーカー:天彩峰里
エレン・パーカー演じるじゅっちゃんのことも前回の記事で書いてしまいましたが、とにかく最近の天彩峰里の女優っぷりは本当に素晴らしい。
「貧しい労働者のためにわざわざハリウッドから来たのよ」というセリフもとってもナチュラルで、これが“昔のハリウッド女優は傲慢さが魅力になっていた”ということか!と納得させられました。
ストーリーの中では富と名声の象徴という分かりやすい存在なのでしょうが、実際に観ているとエレンの心情は結構複雑で……そこがエレンの強さや生命力に繋がっていてとても良かった。
そしてジョルジュのこともちゃんと愛していたというのが伝わってくるだけに、別れのシーンは切ない。
キャサリンとはマリブの朝焼けを見てエレンとはマリブの夕日の思い出を語るジョルジュ……対比になってたんだ!と今回の宙組ネバセイを観て気付きました(初演の頃は学生だったからよく意味がわかっていなかった)
— あまり (@zuka_koi) March 1, 2022
△この表現がおしゃれなのかどうなのかは置いておいて、「ほーん…」ってなりました(笑)
お衣装は、登場時のドレスはピンクじゃない方が大人っぽく見えそうなのにな……と思って初演の映像を見返したら、るいるいもピンクだった!!
ラ・パッショナリア:留依蒔世
観る前から絶対にルイマキセのラ・パッショナリアはいいぞ!という予感がありましたが、もう…素晴らしいの一言!!
全く期待を裏切らない伸びやかで力強い歌声。拍手!!!!
『プロミセス、プロミセス』でも代役で女役をやっていましたが、あちらはかなり個性的な役だったので気付かなかったのです。
そう、ルイマキセの女役がめちゃくちゃ美人だということに!!!
フィナーレも女役でしたが、めちゃくちゃお綺麗で一瞬誰かわからなくて二度見。
キキちゃんとの並びも素敵で、普通に「いいじゃん!」となりました。
(ルイマキセちゃんを見て新たな性癖を開拓したヅカファンは多いと思う、たぶん)
ピーター・キャラウェイ:春瀬 央季
今回の公演で退団するかなこちゃん。
あぁ宙組のキラキライケメン枠が……本当にさみしいです。
今回のピーターもスラっとしていて金髪で、そこにいるだけで美しい。っていうか発光してません?
役作りとしては、すっごく優しい男の人という印象。
悲しみがこもった「キャサリ、君って人は……」というセリフがあまりに不憫で……。
稽古場レポートの時に、ハケた後にキキちゃんやずんちゃんから
「ピーターはキャサリンと付き合ってると思ってんの?(笑)」って聞かれる
とお話されていましたが、まじで全然キャサリンに相手にされていない感じ(笑)
そんなところが、かわいそうでかわいいなと思って観ていました。
アニータ:瀬戸花まり
瀬戸花まりちゃんも残念ながら今回で退団。
今回はスペインの占い師のお役で、しっとりとした美声を披露されていました。
さらっと喋っていても、せとぅの口跡の良さは流石!
そこにいるだけで安心感があるという、素晴らしい娘役さんなだけに本当に惜しい。(やめるのやめよ?)
ルイマキセくんと並んでいたシーンがあったと思うのですが、圧倒的な強さを感じました。
エンリケ・ロメロ:奈央麗斗
初演で凪七瑠海さんが演じていたエンリケ役に大抜擢された107期生の奈央麗斗くん。
(2021年6月『Délicieux!』で初舞台ってめちゃくちゃ最近)
一幕でも、二幕でも一番初めに出てきてセリフを言う大変な役だと思うのですが、すっごくしっかり演じられていました。
セリフも声も明瞭で、舞台度胸もある!
これは将来が楽しみだ~
個性豊かなオリンピック選手たち
人民オリンピックのためにスペインに来ていたのに、内戦に巻き込まれていく……という人々。
マックス・ヴァン・ディック:紫藤りゅう(オランダのレスリング選手)
ビル・グラント:瑠風輝(イギリスの高跳び選手)
ナセール:優希しおん(アルジェリアのボクシング選手)
ビョルン:鷹翔千空(スウェーデンのフェンシング選手)
ハンス:風色日向(ノルウェーのフェンシング選手)
タリック:亜音有星(モロッコのボクシング選手)
初演ですっしー組長が演じていたマックスは、今回るりこちゃん(紫藤)でしたが、金髪のオールバックっぽい髪型でイケメンっぷりを披露……!!
歌い継ぎのシーンでは、もえこちゃん(瑠風)&こってぃ(鷹翔)&ひなこちゃん(風色)の歌の上手さが素晴らしいし、踊りのシーンで一際目立つ人がいる……とオペラをあげるとゆいなちゃん(優希)
そしてキラッキラ華やかな亜音くん、というメンバーですね。
「お稽古の始めの頃はどうしても上級生、下級生感が出てしまっていたけど、何度も上級生が話し合いをしてくださって……」と、ゆいなちゃんがお話をされていましたが、みんな個性がバラバラで観ていてワクワクしました。(別に全然ワクワクできるストーリーではないんですが……)
初演でチギちゃん(早霧せいな)が演じていて印象的だったタリック役は、今回亜音くんでしたが、少し年齢設定が若めで少年っぽさがありました。
こんなに若いんだから、逃げ出したくなるのが普通よなぁ……という説得力があって、観ていて辛かった。亜音くんの全力で真っ直ぐな演技もとても良かったです。
あと、驚いたのがオリンピック開会式のシーン。
カラーガード指導の先生も入っていたようですが、かなりハイレベルなことをしていた気がします。
すごい綺麗だったけど、大変そうだったので千秋楽まで頑張ってくれ……!
芝居を締めるおじさまたち
『ネバセイ』は、結構おじさんたちが出てくるので、上級生の男役さんたちが大活躍ですね。
アメリカの映画プロデューサー、マーク・スタイン:寿つかさ
めちゃくちゃイケオジなすっしー組長。THE・アメリカの富と名誉の象徴ですね。
▽スチールのビジュアルやばくないですか??
ラジオ・バルセロナのプロデューサー、パオロ・カレラス:松風 輝
初演の美郷真也さんがめちゃくちゃ上手かったのですが、まっぷーも文句なく上手い。
絶妙に胡散臭さもあるスペイン人という感じで素敵でした。お歌もたっぷり聞けて嬉しかった。
市長:若翔りつ
頼もしすぎる99期生の一人、りっつ。
今回は市長の役で、めちゃくちゃ存在感があります。でもって、めちゃくちゃ歌が上手い。素晴らしい。
「オリンピアーダは中止せねばならない~」のところの無念な表情が印象的でした。
アルフォンゾ・リベラ:澄風なぎ
たっくさんも頼もしい99期の一人。
POUMの一員アルフォンゾ・リベラを熱く演じていました。
年齢設定は謎なので、おじさん枠に入れてしまったけど若かったらどうしよう……(笑)
『アナスタシア』『プロミセス、プロミセス』に続いて、素敵な歌声を披露しています。
沢山活躍して、これからも長く宝塚にいて欲しい男役さんの一人です。
他にも魅力的な生徒さんがいっぱい!
他にも魅力的な生徒さんが沢山いる宙組。
闘牛士チームは、ホアキン役の秋音光くんがお髭を付けていて渋く演じていました。(シナリオライターの方は相変わらず可愛らしいお顔で^^)
民衆役のダンスは流石でした。
そして、ファン役の真名瀬みらくん!本当に声が良い!!!
個人的に一番好きな「俺の生まれはセビリアだ~♪」のパートを歌っていてニッコリしてしまいました。
少し前まで、歌は上手いけどやや声が高めだなぁと感じていましたが、すっかり男っぽくなられて……感動。
今回フィナーレにも名前がなくて心配していた希峰かなたくんですが、シナリオライターの役や民衆の役で良い演技をされていました。やっぱり目立つ。顔が良い。
今回退団の水香依千くんと穂稀せりちゃんの姿も、しっかり目に焼き付けました。
オリンピック開会式のキキちゃんと登場するシーンは、二人がサイドなんですよね。(配慮が感じられる)
今の宙組にぴったり!
再演物だけど当て書きだと言われてもあまり違和感がない素晴らしいキャスティングだった今回の『NEVER SAY GOODBYE』。
コーラスの宙組という伝統も続いていて、じーんとしてしまいます。
チケットが何枚か宙に浮いてしまいましたが、今回観に行けて本当によかったです。
長々と書いてしまいましたが、お付き合いありがとうございました。
・‥…━━━━━━☆
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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▽初日の感想はこちら
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